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リラクゼーション

 リラクセーションとは、不安、緊張、興奮、ストレスと対極にあるものと捉えると理解しやすい。リラクセーションの定義はさまざまであるが、「心身の緊張をときほぐすこと、リラックスすること」(広辞苑)など、 緊張の緩和と捉えることが一般的である。なお、心の(精神の)リラクセーションと、体(身体)のリラクセーションに大別されるが、両者のかかわりは相互的である。また、ストレス反応として交感神経が興奮するのに対し、リラクセーション反応は副交感神経の働きを優位になることと捉えることが多い。

 リラクセーションには数々の技法がある(表1)が、いずれも、意図的に心と体が本来もつ調整力に働きかけ、内面からのリラックス状態を導くという共通点が指摘されている(小板橋ら、2013)。定期的にリラクセーション技法を行なうことによって、 不安やストレスによる好ましくない反応を打ち消し、心身のバランスを保ち、健康の維持・増進を図るというメリットがあげられる。したがって、健康障害がある人は健康状態の回復のため、また、健康な人は、さらに健康の維持・増進に寄与し、病気の予防を図るといったヘルスプロモーションの促進が期待できる。

 特に、女性特有な健康問題に対する効果的なヘルスプロモーションには、行動科学的なアプローチが重要であり、それには身体と心への多面的総合的なアプローチ、すなわち、栄養・食事、運動、休息とともに、ストレスマネージメントとしてのリラクセーション技法を取りいれることがよいとされている。

 ストレス社会といわれる現代において、リラクセーションはすでに日常語となっており、さまざまな技法がある。昨今のヨガやマインドフルネスストレス低減法などへの関心の高まりなどから、今後、メンタルヘルスのセルフコントロールとしての研究がさらに進むことが予想される。

 表1 リラクセーション技法


瞑想・睡眠療法・自律訓練法・漸進的弛緩法・イメージ法(誘導イメージ法)・
バイオフィードバック法・ヨガ・マインドフルネスストレス低減法・呼吸法・
気功・アロマセラピーなど