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ライフスパンからみたウィメンズヘルス

ー思春期から老年期ー

 図は、厚生労働省の女性の健康推進室「ヘルスケアラボ」のホームページによる。上段には思春期から老年期までのライフステージの区分を、下段の横矢印は現代女性の主な健康問題をそれぞれ示している。なお、性成熟期にピークになっている山形の曲線は、女性の健康の重要な鍵を握る女性ホルモンであるエストロジェンの生涯の変化を示す。山が急にあがる初経が始まる思春期、高値の妊娠・分娩・授乳期、急下降は閉経を迎える更年期、そして、低値はその後の老年期である。女性は各ライフステージによって、視床下部、下垂体、卵巣機能によるホルモン内分泌環境の状態が大きく変化するため、女性ホルモンの変化に伴う健康問題が多い。また、近年、女性の社会進出により、女性の健康問題に変化がみられている。

 ライフスパンでは、女性の健康を生涯発達の視点から捉える。したがって、女性の健康は、ライフステージの一時点だけでなく、連続の中でみていくことが必要である。というのは、女性は生涯にわたって、健康やウエルネスに影響を及ぼすような固有な経験をしながら、人生というライフスパンの文脈の中で健康が形づくられていく(McBride 1993)からである。そのため、生活の質(QOL)や社会参加なども重要な健康のアウトカム指標となる。さらに、人生をどのように、また、充実して送っているか、男性と同様に自己実現の機会があるかなども問われなければ、真の意味でのライフスパンからみたウィメンズ・ヘルスを考えることにはならないと言えよう。

  図 現代女性の思春期から老年期までのライフステージにおける健康問題
厚生労働省研究班「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」
http://w-health.jp/introduction/contemporary